縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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怖いもの知らず。

見習い一年生の頃のお仕事といえば『お勝手』。

姉弟子さんたちのお買い物、金融機関廻り、食事のお手伝い、お洗濯物の仕分け、食堂の掃除から、冬はこたつの布団干し。
鏝磨きから、お掃除の準備と後片付け。

これらをこなしつつ、運針の練習、そして、地伸し。



一年生の起床時間は午前6時半。
これが早いのか遅いのかは分からないけれど、当時の私は、とっても早く感じたよ。
仕事の日は、先輩のお弟子さん達に囲まれ、緊張の連続。
でも、やってることは、運針の練習なので、はっきり言って、

   眠くなる!

でも、こじ開ける。

お勝手の時は、寝ている場合じゃないので、心配は無い。
問題は、「地伸し」。

一年生といえば、何もかもまっ更な状態で、生地の状態も分からなければ温度調節も直感ではままならぬ。
仕事場の隅で、皆さんから、ちょい、離れたところにいて、言葉も交わさず、ただ、黙々と反物にアイロンを載せていると、
眠くなる。

そりゃあ、もう。
これ以上無いって位に、眠いよ。
地伸しの席は、睡魔に呪われている。間違いない。

そんなある日。
まわってきた洗い張りのお単衣の絽。忘れもしない、水色。
悉皆の面倒臭いところは、いちいち、解いてねえさん達が置きやすいように並び替え、アイロンを載せなければならない。

ふと記憶が飛んで、やべっ! と思ったときには、手が止まってました。
それは丁度、黄ばんだ染みが飛び飛びの衽の裾。
アイロンの形に、黄ばんだ染みが一つ増えてましたよ。
慌てて持ち上げたら、もわもわもわもわ~ん。と湯気(煙?)が。
廻りをきょろきょろと見回し、そそくさと、巻いてしまいました。

幸いだったのは、その水色の絽があまりにも黄ばんで、お醤油をこぼしたかのような染みが大小取り混ぜて、牛柄のごとくに飛んでいたこと。

よーっくみると、間違いなく、アイロンの先っぽだと分かる鋭くとがった黄ばみだったのだけど、何とか見逃してもらえたようです。

   良かった。



・・・・・・もう、時効だよね。



弟子の頃

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2 Comments

Comment

>猫のプーさん
私が一年生の頃、5年生の兄弟子さんが喪服のお袖を出来上がりでちょっきん!
ちょっと恐い感じのお兄さんでしたが、あんなにうろたえているのをみたのは初めてでした。
結局、ちょっぴり短いお袖丈のお袖で許してもらえたようです。

裁ちとはかくも恐ろしいものです。


ところで、ぷーさん。
その絽の喪服、紋はどうされたんですか?
入れなおされたんですよね??
だって、そのままじゃ・・・・・・。
2007/03/05(Mon) 01:07:14 | URL | ひわ@小心者 [ Edit]

v-12私もお稽古中あります・・絽の喪服・・肩山でチョッキーン☆腰揚げでつなぎました・・センセも真っ青!あれ・・内緒かナァ?ですよねぇ・・
2007/03/03(Sat) 10:15:06 | URL | 猫のプーさん [ Edit]
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