縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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寸法の謎@裄

 着物を着る上で、一番、面倒なのは、身幅ではなくて、裄です。
 裄。

 

裄 とは、(両腕の長さ+肩幅)を2で割った寸法である。
 実寸するときは、首の後ろのぐりぐりから、腕を斜め45度に下げた手首の「うめぼし」まで。

 「うめぼし」が隠れるのは、礼装。
 普段着は、うめぼしがかかるぐらい。



 最近は、男女とも、体格がよすぎて、反物も、長く、広くなっています。
 私が172センチなので、・・・・・・なので、ってこともないけれど、礼装の裄は1尺8寸2分です。これで、うめぼしに乗るくらい。あと、2分ほども長ければ、標準的な礼装の裄寸法になったんですが、そうすると、コートができない><

 礼装といえども、いや、礼装であるからこそ、腕をだらんと伸ばしてぼけっと突っ立っているような印象を受ける立ち姿は野暮だ。と、師匠の奥さんに言われ、着物を着たら、ちゃんと腕を曲げて収めておくのが当たり前だから、そんなに杓子定規に裄を長くすることはない。と、教わりました。
 ただ、やっぱり、手首のぐりぐりがにょきっと見えてしまうのは、師匠いわく「丁稚の着物」になるので、そこは確認しておくべき。

 さて。

 最近、寒いときはカーディガンではなく、引っ張りを着ています。ウールの引っ張りで、内緒ですが、袖付けと口下、袖底、脇がほつれてきています><
 これも、紺屋の白袴といってもらえるでしょうか>< だって、自分のだと思うと面倒なんだもの。
 洗濯は、ほかのものに引っかかって糸が切れないように(!)ネットに入れて、普通に洗ってます。アイロン? ウールなのでアイロン不要。

 引っ張りというのは、家着で、割烹着のような役割もします。作務衣のようなものです。
 これの裄が、いっぱいいっぱいで1尺6寸ちょい。
 そう。ワタクシの裄には2寸ほども短い。
 もちろん、まっすぐに手を伸ばしていれば、にょきっと腕が出て、いかにも借り物のような野暮な印象がありますが、実際、普段着として着るのに、手を伸ばしていることなんてほとんどありません。
 むしろ、1尺6寸でも、長い><
 台所仕事をするのに、邪魔だし、こてを取るのも、布生地を引っ張ったり据えたりするのに、邪魔なこと、この上ない。襷がけ・・・・・・という言葉が、頭をよぎるぐらい。

 そのぐらい、普段着の裄とは短くて結構なものなのです。

 ところが、浴衣の裄について、礼装並みに長く仕立てなければならない! と、肩に力が入っている方がいらっしゃいます。
 そこまで、がんばらなくてもいいよ?
 所詮、浴衣ジャン?
 しかも、それが殿方であったりしたら、リラクゼーションルームをお奨めしたくなります。
 殿方の浴衣の裄の長いものほど、暑苦しいものはないです。
 どこの坊ちゃん!? 
 新入社員のネクタイ姿を、七五三みたいだと揶揄されたことがありますが、まさにそんな感じ。

 ここにきて、浴衣の話題が上るようになりました。
 ことさらに、裄に合わせた広幅の反物をお勧めされることがありますが、必要ないよ?
 だって、浴衣だよ? 普段着だよ? そんな、ずらずら長い裄は邪魔だよ?
 振りもうまく捌けないのだから、せめて、動きやすい寸法にしておこうよ。
 柄が気に入ったなら、それはそれですが。

 とはいうものの、本当に腕の長い人はいるわけで、そういう方には、まだ、着物の敷居は高いのかもしれませんね。
寸法

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