縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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寸法の謎@肩明き・繰越・付け込み

 肩明きは、「衿肩明き」といい、衿をつける際に、巾で耳端から内側に向かって入れる切込みです。
 2寸5分~2寸7分ぐらいの切り込みが入ります。

 付け込みは、背縫いの部分の衿付け代。
 通常は3分~5分。多いときは7分。時々、もっと多いことも・・・・・・。

 繰越は、肩山から後ろ側に5分~お好みの寸法ずらした肩明きまでの寸法。

 どれもこれも、首周りを美しく見せるための工夫です。
 衿元は、和服の醍醐味ですね。
 

 肩明きの寸法は、首周り÷4 と、モノの本には書いてあります。ここでいう、モノの本とは、和裁士会の教科書です。
 で。
 どなたを見ても、頭の大きさとはそれほどの違いがなく、よって、それを支える首の太さも、さほどの違いはないのです。
 例えば、直近の話題で、レスリングの吉田沙保里選手ぐらいになると、衿肩明きも少し深い目に切らなければ衣紋を抜いたときの衿の納まりが悪いと思うのですが、ごく普通の生活をしていると、特に問題はないと思うのです。
 これも地域性があるらしく、ワタクシが習ったところでは、2寸5分切り。関東以北では、2寸7分切が多いようです。
 理由は分かりません。が。
 衿合わせに関係してくるところです。狭いと、詰まった感じになるし、広いと「玄人」さんですか? 
 どうも、襟元ががばがばしているのを無理に着ているようなきらいのある方をお見受けしますが、「普通」に2寸7分で、あけちゃったのかもしれませんね。
 ただ、慣れてないだけなのかもしれませんが、それならそれで、すこし肩明きを狭い目に開けてみるのも手ですよ。
 衣紋が落ち着かない方は、ご一考に値すると思います。

 付け込みは、背縫いの部分の衿つけ代です。
 ここを深くつけておくと、衣紋を抜くと、外に倒れるように抜けてきます。
 浅くつけると、衿が体に対して立つように抜けます。
 深い目に付けるときは、カーブを描くようにくるりんと丸くつけると、きれいに抜けます。
 んがっ。
 ワタクシの師匠は、「そんなもん、着方や」と、相変わらず、ずばっとおっしゃってくださいました。

 繰越は、姿勢と肩周りの肉付きと着付けの際の襟の抜きやすさに関係するところです。
 子供物や男物は、繰越が付きません。衿を繰って着ないからですね。なので、繰越のついていない着物は、いくら後で引っ張っても、衿はぬけません。
 猫背の方には、繰越をつけなかったり、程度によっては、前に繰り越すこともあります。
 例えば、被衣(かつぎ)などは、前に繰越をつけて肩明きを切ります。
 肩周りに肉付きのよい方は繰越を多めにとります。
 肩の厚みで、繰越が上手く機能しないからです。


 仕立て直しなどをしていると、時々、衿肩明きを、カーブに切っているのをお見かけします。
 それはそれで、衿がきれいに繰れるので(衣紋がきれいに抜ける)着付けはしやすいのでしょうけれど、それは、なんとなくもったいない気もします。
 訪問着などの、前後ろの変えられない着物なら、うん、まあ、そうかな。とも、思うのですが、それなら、付け込みをカーブに描いて、切らない方法もあるんじゃないか、とか、繰越でもっと調節できたんじゃないのか。とか、着付け初心者丸出しの考えが浮かんでは消えていくのです。

 いろいろな着付けとともに、仕立ても変わるのですね。
寸法

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