縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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寸法の謎@身丈

 仕立てる側には仕立てる側の、着る側には着る側の言い分があると思うのです。
 ワタクシは、仕立てる側であり、滅多に着物なんぞは着ないもので、着る側の都合が分かりません。
 ですので、「ここをこんな風に」といってもらえると、大変助かります。
 また、実際お会いすると、なんとなく、その人の雰囲気や体型などを推し量ることが出来ますが、メールでのやり取りであったり、呉服屋さん経由では分かりかねます。

 ですので、ここで、一つ。
 仕立てる側からの言い分を、だね。

 まず、身丈。

 背からと肩からとがあります。
 背からは、首の付け根のぐりぐりから、かかとが隠れるくらい。
 肩からは、腕の付け根と首の付け根の中間で、一番高いところから、かかとが隠れるくらい。

 細かい調整は着付けのときにしてもらうとして、寸法を取るときはそれでお願いしています。

 某所で、「寸法的に意味がない」とまで言われた肩身の狭い背からの寸法ですが、昔から言われているものに、まったく意味のないものは、あんまりないんじゃないかと思うのです。
 
 じゃあ、背からの寸法って何だって言えば、ちょうど、繰り越して着付けたとき、言い方を換えると衣紋を抜いて帯をしめた状態を想像してもらえればよいかと思いますが、その時の背縫いの長さ、と考えていただけると一番分かりやすいか、な?

 背からの寸法を考えるときは、自分がどの程度の衣紋を抜くかを考えて出した寸法です。
 まず、着付け上がった状態の付け込み(衿付けと背縫いの交わるところ)を基本に、どのくらい衣紋を抜くかで繰越を考えます。
 普段着で、ぐっと繰って(衣紋を抜いて)お召しになる方は稀ですので、通常であれば繰越は5分。付け込みも3分。振袖、訪問着などの華やかに着付けるものは衣紋を多く抜くことから、繰越は多めにとるように出します。繰越は、+2分ぐらい。少しふくよかで首周りに厚みがあるときは、付け込みを深い目にしてもいいでしょう。

 この時、背の直線だけを考えているので、ふくよかな方はまた、ちょっと違う問題がでてきます。
 肩の厚みです。
 後身頃はそれでいいかもしれませんが、肩に厚みをとられて、前があがってくるという現象が起こります。
 お襦袢の着付けを思い出していただければ分かりやすいかと。

 肩からの寸法を考えるとき、肩の厚みを考慮に入れた寸法でもあります。
 肩の一番高いところから実寸を計るわけですから、厚みも含まれます。
 また、着付けたときに、肩山になる部分を起点にして、そこから繰越→付け込みと考えるので、着付けたときに肩山がずれないということにもなります。
 
 ところが、着用時、仕立てた寸法が、肩からであれ、背からであれ、衣紋を抜くと肩山は後ろにずれます。
 それを防止するための肩からの寸法ですが、きれいに着物の肩山と人間の肩山が同じになっている方をお見かけしたことがありません。
 それほどたくさんの着物をお召しになった方とお会いすることもないので、当たりが悪いだけなのかもしれませんが。

 そういう意味で言うと、身丈は肩からマンセーb というほど、肩からの寸法も厳密なものではないのです。

 背からと肩から、どっちもどっちなので、どっちがどっちとは言い切れませんが、ご自分の着姿をご存知の方は背から、ふくよかな方は、肩からの寸法で割り出されるとよいかもしれませんね。

 ワタクシ的には、肩からの寸法を頂くと、この方はふくよかなほうなのかしら。と、感じるしだい。

 長着においては、オハショリをとるので、大勢に影響はありません。
 問題は、長襦袢で。
 襦袢の身丈
 で、書いたように、肩からと背からでは、全然違う寸法がでてきます。
 が、基本的な寸法の考え方は、長着と同じです。
 そう考えると、肩からの実寸よりも、背からのほうが着用時の収まりがいいように感じます。
寸法

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