縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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襦袢は襦袢でも。

お弟子さんの頃、コンクールは年に3回ありました。
コンクールはこんなわけで嫌いです。

ところが、コンクールとは、他人と競う。という一点を除けば、その時点での自分の正直な「実力」が計れるという、素晴らしいところでもあるのです。

更に!
余裕のあるときは、他人様のやり方を横目で覗けるという特典付きなのです!

そんなわけで、一年生の時のお襦袢のコンクールは、ワタクシ、お袖を二つ半作り、何かと印象深く、
2年生の時の羽織は、いっそ、小気味よく、お袖をきっちり3つ作ったツワモノでもあります。

えぇ、えぇ。どうせ、間違って右袖を二つ作りましたよ・・・・・・ベソベソ。

さてさて。そんなことはどうでもよくって。
2年生の時のお襦袢のコンクールは、さすがに余裕がありました。
視界に、よそ様の縫っている襦袢が見えるわけです。
自分の進行状況と他人様の進む速度を比較検討して、
「まだ、大丈夫」
「ちょっと、スピードアップ」
と冷静に判断しながら、余計な鏝かけや、針目の調節に余念がないのです。

ところが!
わたしが、袖を作り、揚げを縫い、背を縫って、たて衿をいらっている頃、
隣の彼女は、なんと! 脇の始末をしているではないですか!!??
明らかに、早い!!

   ちなみに、このときは、お袖は間違ってませんでしたよ。

となると、何か、あるはず!
何か・・・・・・例えば、べらぼうに運針が早いとか、
例えば、準備の時点で、何かしら他塾を寄せ付けない工夫をしてきたとか、
例えば、・・・・・・間違ったとか?

今風にいうなら、まさに「有り得ない」の一言に尽きる。

自分の仕事はそっちのけで、気になる、気になる、気になる・・・・・・。
そしてワタクシは発見しましたよ。

休憩時間。
「ね、見た? 隣の子、もんのすごく早いよねぇ(嘆息)」という同期に、ワタクシ、
「もー、びっくりよー。背縫い、してないんだよぉ」
「はぁ??」×人数分

隣の彼女は、背縫いをかっ飛ばし、左右の身頃、たて衿付け、脇縫い、脇の始末からやっているのです。
だから、われ等正統派がたて衿をいらっている頃に、脇の始末なんかが出来るのです。

いや。
たかが和裁業界といえど、ほんと、広いわ。


蛇足ですが、
衿付けの頃になると合流するわけですが、ワタクシたちの方が一歩リードでした。

なんというか。
アレだ。
【動揺作戦】:他人より早く進み、あたかも、ものすごいスピードの持ち主と思わせ、周囲を怖気づかせ、精神的に焦らせたうえでミスを誘う作戦。
一歩間違うと、自分が本当に早いと思い込み、いつの間にか抜かされているという罠に陥る事もある。
別名、自爆技。何でこんなことを思い出したかというと、
去年の秋からこっそりのぞいている和裁士さんの卵さんが、
試験なのだそう。

わたしら、進級の為の試験なんてなかったけど、
コンクールがそれに当たるのかなぁ・・・・・・と。

日々の積み重ねだから、本番前に急にがんばったって仕方ないけど、緊張すると運針が曲がるので、平常心でがんばって欲しいと、草葉の陰から(まだ死んでないって)生温かく見守っているのであったことよ。
弟子の頃

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