縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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小さい子供の着物

以前、付加価値の効果で、お預かりした男の子のアンサンブル。

お預かりしたのは、男物のお襦袢でした。これを、三つ身のアンサンブルにしておくれ。……と。
三つ身で、出来るだけ大きくしてください」

   ……?

「それは、この生地を使って、出来るだけ大きくしたらいいんですか?」
「はい」

なるほど、なるほど。

積もりました。
もともとがお襦袢だったので、お袖が無双(*続き、参照)です。
ってことは、羽織と着物のお袖は、それぞれ片袖ずつ使える。

後は、着物、羽織の身頃。

三つ身、三つ身、三つ身……っと、小声で呟きつつ、教科書なんかもひっくり返しながら、あれやこれやと置きなおしてみると、気付いた!

   こりゃ、わざわざ三つ身なんかにしなくても、四つ身で随分、でかく出来るじゃん??

早速電話。

「別に、三つ身にしてわざわざ小さくしなくても、四つ身で大きく出来ますよ?」

ところが、よくよく話を聞いてみると、どうも、「三つ身」について思い描いているものが違う……みたい?

どうも、そのお孫さんは2歳か3歳らしい。あるいはそれ以下。初めての男の子で、嬉しくて着物を着せたいらしい。

   ふむふむ。

あるもので作れたらいいな。と思って、手持ちの男物のお襦袢を引っ張り出してきたらしい。

   なるほど。なるほど。……ん?

だから、あんまり大きく作っても今は着れない。着れる範囲で出来るだけ大きく。
だから、三つ身

「でも、三つ身にしたら、『今』しか、着れませんよ? 折角、四つ身に出来るのに」

呉服屋さん曰く、「いいんです」

   呉服屋さんはよくっても、私は良くないわ。

で、余計なことをぐるぐると頭の中で考えたわけです。

一般的には、子供の成長は驚くほど早いわけです。
一年後には、ほとんど着れなくなっちゃうわけです。
だから、外揚げを取って、調節するのです。
巾については、そうもいかないので、広い目にとって、下前で織り込んで上前は見栄えの良いところで紐を結ぶのです。
だから、背縫いは曲がったりします。でも大丈夫。そんなもんなんです。

で。
どうあっても、「三つ身」と言い張る呉服屋さんは、何で「三つ身」なのかな~……。

   「四ツ身」でも、寸法ちっさくしてもいいじゃん?
   いや、「四ツ身」にして2~3歳用に仕立てれば、洗い張りして5歳までは着れるぞ。
   体格にもよるけど、6歳までも、着れないことはない。
   なぜ、その時限りの「三ツ身」にこだわるのかしら??

   ……むぅ。

( ゚o゚)ハッ!
もしかして、「三ツ身」って寸法のことと思ってるとか。
三歳用の意味で「三ツ身」って言ったとか。
「四ツ身」は4歳~5歳用と思っていたとか。

それなら、納得。
そういう意味で言うなら、確かに「四ツ身」では大きすぎる。



子供ものには、
「一ツ身」「二ツ身」「三ツ身」「四ツ身」「本裁ち」とありまして、これは、裁ち方の呼び名です。
正しくは、「三ツ身裁ち」「四ツ身裁ち」といいいます。
「本裁ち」は大人物の裁ち方で、十三参りぐらいから使います。


三ツ身裁ちにすると、そもそもの布巾が狭くなるので、3歳以上の寸法にすることは、ちょっと無理です。その代わり用尺がとっても少なくて済みます。
四ツ身裁ちは、七五三の5歳参り用で使います。本裁ちよりは少なくて澄みます。


だったらさ。やっぱり、四ツ身裁ちにして、寸法3歳ぐらいに仕立てたほうが、後のことはともかく、生地が有効活用できていいじゃん?
細切れに残布とっても、使い道、ないんだし?


ってなわけで、三ツ身裁ちは、了解なしに却下して、四ツ身裁ち、3歳用に仕立てました。
三歳/アンサンブル全体
羽織と着物を合わせて吊ってみました。
着物の紐は、金巾で2尺1寸裁ち。基本的には表につけます。

三歳/着物
夜着畳みに、3等分。裾を内側に入れて、紐は背でまとめます。
女の子はピンク。男の子はひわ色の糸、二本取りでばらばらにならないように留めます。
……男の子が水色でなくて何故、ひわ色なのかは、わかりません。

3歳/羽織
同じように夜着に畳みます。半分折で、十分。小さいなぁ。

3歳/衿
合わせたときの衿の雰囲気。柄が柄なだけに、よく見えません無双=無双仕立て:表・裏ともに同じ布で仕立てること。
子供もの

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2 Comments

Comment

>ちあきさん
早速のお越し、ありがとうございます。

ライブドアは、どうしてもコメントの表示が遅くて、デザインも崩れやすかったのです。

こちらでも、よろしう。

三ツ身の何が許せないって、衿をお袖から取るのですが、
縦横にとるので、衿の生地目が変わってしまう。
接ぎ難いっ!

私のお師匠さんも、
「三つ身は最後の砦だ。どうしても四ツ身に出来ない場合以外は、必要ない」
ときっぱり。
要は、裁ち方の問題ですから、生地があるなら無理やりややこしくする必要もないですよね。
四ツ身だって十分ややこしいのに。

出来上がると、かわいいですけどねぇ。
それまでが・・・(涙)
2006/10/27(Fri) 21:14:21 | URL | ひわ@管理人 [ Edit]

ひわさん、お引越しですか。

三つ身と四つ身、そういうことですか(笑)

私も三つ身の裁ち方は、本でしか見たことありませんが、なんだか洋裁みたいだなあと思ったことがあります。

散々、子供の着物を縫ってきた母や伯母が『三つ身なんて作っても、しょうがないよ』と言ってました。

四つ身に出来るなら、小さめの寸法で作っておけば、又大きく出来ますものね。

最近の呉服屋さんは、和裁を知りませんから、仕立て屋が臨機応変ですね。

でも子供の着物は可愛いなあ~。
2006/10/27(Fri) 18:48:57 | URL | ちあき [ Edit]
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