縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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夏の夕暮れ。

日が落ちて、犬とともに、とある角を曲がると、
庭先から、

とん。とん。とん。・・・

とまな板の音が聞こえてきた。
薄暗い夕明かりに、濡れ縁に腰を下ろしたおばさんが、
畑で採れたものの処理でもしていたのか。

影もすっかり薄くなり、手元もおぼつかない中で。



   略奪愛で一緒になり、
   気がつくと、だんな様は、小さな物置のようなところで寝起きし、
   いつしか、おばさんが一人で暮らすようになっていた。
   夕方、お台所の蛍光灯だけつけて、部屋は暗いまま、
   一人で、ご飯の準備をしているさまが、外から垣間見られた。



ふいに、一人で暮らす友人に思いをはせた。

彼女は、一人でご飯を作っているんだろうか。
お台所の蛍光灯だけつけている、あまりに侘しい光景を思い描いて、
彼女が、そんな思いをしていないだろうか。
ちゃんと部屋の電気をつけているだろうか。
ちゃんと食べてるだろうか。

真っ暗な部屋に帰るのは、寂しくないかな。

帰りに通りがかったら、
居間の障子の向こうに、ほんのりと湧き上がるような光が見えた。
お台所は暗かったけど、
部屋に明かりが灯ったのが、少しうれしかった。


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