縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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硬い生地。

正絹(しょうけん)といえども、ピンからキリまであります。

裏地に使う胴裏だって、へにゃへにゃ、ぱしぱし、てろてろ、きしきし、とそれぞれ擬態語が変わるほどあります。

今まで出会った中で、一番硬かった生地は、針が1針以上は進まなかった、

「古のお召し」

です。さらにこいつは、アンサンブルでした。
つまり、羽織付。
その上、夏休みのバイトだったので、いつもよりも期限が激しく短かったのです。

・・・いろいろあるわな・・・(遠い目)・・・。

硬い生地の場合、生地自体をやわらかくする荒業を私は知らないので、
せめて、針通りをよく出来れば御の字です。

1、石鹸を使う。
2、蝋袋を作る。
3、頭を使う(!)。

1、石鹸を使う。
書いて字のごとく。いつもは、引きっぱなしの筋、あるいはチャコを使いますが、
チャコ代わりに、石鹸を使って筋を引きます。
その筋の上を縫うわけですから、針は石鹸を通して生地に入ります。
この場合の石鹸は、牛乳石鹸、あるいは、香料の使用していない石鹸です。
ある程度、天日に干して、カチンカチンにしてから使わないと、水分を含んで溶けやすくなります。

     デメリットは、
     針を進めるために、指を湿らせたときに、石鹸が溶けること。
     着物に、石鹸のシミがつきやすいこと。

2、蝋袋を作る。
ろうそくの蝋でも、市販されている手芸用の蝋でも可。とにかく、細かく切り刻んで、2重にした正絹で包みます。形態は、ケンチョウキのボンボリにつける人もありますし、そのまま手で持って使用できるようにしておく人もいます。
針が軋んできたら、蝋袋に、つきつきっと、2,3度ほども通すと、かなり、すべりがよくなります。

     デメリットは、
     針について蝋が飛び出すこともあり、蝋のシミがつきやすいこと。
     うっかり、こて釜に密着させて、とけとけになることがある。

3、頭を使う。
「馬鹿は使えねーな」という意味ではありません。
時代劇で、こんなシーンを見たことがありませんか?

孝行息子「今帰ったよ。おっかさん。!何やってんだい。寝てなきゃだめじゃないか!」
病弱な母「ああ、おかえり。お前の着物の袖が取れていたのでね。こんなことくらいしか出来ないから、せめて、お前の役に立ちたくてねぇ・・・ごほごほ。お前には、苦労ばかりをかけてすまないねぇ・・・げほげほ」
孝行息子「それは言わない約束だよ、おっかさん。さあ、早くおやすみよ」
病弱な母「ああ。もう少しで終わるからねぇ」
ピーっと針を抜き、頭をちくちく
↑ここです!ほかのところはどうでもいいんです。

昔は椿油なんか使ったりしてましたから、油分、いっぱいです。
今でも、髪にはそれなりの油成分が含まれてますから、針を髪に通すことは、針の通りがよくなり、縫いやすくなります。
今も昔もさほど変わりはないようです。

さて、特筆すべきはこれのデメリット。
うっかり、頭を刺すくらいしか思い浮かばないです。
実際、頭を刺して、血がついたとかいったことも聞いたことないですし、
シミがついたなんて話もないです。


ああ、それからもうひとつ。
うちの針山は、糠で出来ていますから、
それにつきつきすると、多少すべりはよくなります。

一針一針抜かなければならないほどのものは、石鹸を(こっそり)使用させてもらってますが、ほとんどは、蝋袋でしのいでます。

頭を使っても・・・いいんですけどねぇ・・・。
仕事中

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4 Comments

Comment

No title

>猫のプーさん
ミシンの場合は、必ず下縫いをしますので、下縫い通りに、真っ直ぐ縫います。カーブのところは、ちょっと小さめの針目で下縫いしますので、コートの小衿の衿周りは曲がらずに縫えます。

とか言いながら、実はちょっぴり曲がったりもしています。

ふつーの着物にはミシンは使いませんが、一針で進まなくなったお召しのときばっかりは、頼むからミシン使わせてくれと、泣きの涙でした。

そうですね。
解いちゃったら針穴が目立っちゃいますよね。
洗い張りはしにくそうです。
2007/06/28(Thu) 00:08:00 | URL | ひわ [ Edit]

No title

ほいでも、ミシンやとねぇ・・カーブがうまくまがらんくてカクカクしたりもする。
頭も使いようかぁ?でも針跡つきません?
2007/06/27(Wed) 14:25:00 | URL | 猫のプーさん [ Edit]

No title

・・・ミシン・・・。使えたらな。
そういえば、グシをミシンで入れるところがあるとかないとか?
ミシン縫いのグシはとてもきれいとか。
で、お客様が、「こんなグシを入れてください」と持っていらしたらしい。出来るか(怒)
2005/07/29(Fri) 00:11:00 | URL | ひわ [ Edit]

No title

硬い生地ありますよねぇ。
ものすごく硬い襦袢作ったことあります。
針を何本も折りながら、涙を浮かべつつ作りました。
白くて雲の柄。あいつのことは忘れない。
今日作った比翼もなかなか硬かったです。
2枚で縫うならいいんですけど4枚になるとつらい。
大小躾の小の所で針が抜けない。
蝋袋なんてものがあるんですね。知らなかった。
いつもは頭使ってます。
中身は使い物にならないのでせめて外側は使ってやろうと思うのです。
2005/07/27(Wed) 20:55:00 | URL | けたろ [ Edit]
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