縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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寸法の謎@裄・再び

 myサイズは、身長が170以上あることもあって、1尺8寸5分。
 振り分けで、9寸2分の9寸3分。
 コートの袖幅が9寸5分になるわけで、そんな反物がようやくで始めた時代のこと。といっても、好みの柄があるわけでもなく、コートいっぱいで着物の寸法を決めました。

 さて。
 最近の人たちは、裄がでかいのです。
 とある質問サイトでも、裄が70センチです。とか、ざら。
 70センチ? ・・・・・・って、どのくらい? 74センチでだいたい2尺なので、

 ・・・・・え!? 1尺9寸!?

 寸法違いだ。とか、測り間違ってる。とか、そんな呉服屋やめちまえ。とか、え? そこ? というようなコメントがついていることもあります。
 ワタクシも、一週間ほど前まではそう思っていました。


 高校三年生の姪っ子が、お母さんの小紋に袴を合わせたいというので、相談に乗ってきましたが、この姪っ子、身長163センチにして、裄、1尺8寸5分!!

 ちょw
 ちょっと待ってww
 
 再度、測り直し。どう見ても、1尺8寸5分。
 しかも、右は1尺8寸5分。左は、1尺8寸。
 5分違い・・・・・・orz...
 それでも、手首のぐりぐりが出るんです。礼装で考えたら、それこそ、70センチになる、のか!?

 ・・・・・・・・・

 確かに。
 手足が長く、スタイルがよくなっているとは聞いていますが、日本人も、着物の似合わない体型になりつつあるんですねぇ。

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寸法

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寸法の謎@裄

 着物を着る上で、一番、面倒なのは、身幅ではなくて、裄です。
 裄。

 

裄 とは、(両腕の長さ+肩幅)を2で割った寸法である。
 実寸するときは、首の後ろのぐりぐりから、腕を斜め45度に下げた手首の「うめぼし」まで。

 「うめぼし」が隠れるのは、礼装。
 普段着は、うめぼしがかかるぐらい。



 最近は、男女とも、体格がよすぎて、反物も、長く、広くなっています。
 私が172センチなので、・・・・・・なので、ってこともないけれど、礼装の裄は1尺8寸2分です。これで、うめぼしに乗るくらい。あと、2分ほども長ければ、標準的な礼装の裄寸法になったんですが、そうすると、コートができない><

 礼装といえども、いや、礼装であるからこそ、腕をだらんと伸ばしてぼけっと突っ立っているような印象を受ける立ち姿は野暮だ。と、師匠の奥さんに言われ、着物を着たら、ちゃんと腕を曲げて収めておくのが当たり前だから、そんなに杓子定規に裄を長くすることはない。と、教わりました。
 ただ、やっぱり、手首のぐりぐりがにょきっと見えてしまうのは、師匠いわく「丁稚の着物」になるので、そこは確認しておくべき。

 さて。

 最近、寒いときはカーディガンではなく、引っ張りを着ています。ウールの引っ張りで、内緒ですが、袖付けと口下、袖底、脇がほつれてきています><
 これも、紺屋の白袴といってもらえるでしょうか>< だって、自分のだと思うと面倒なんだもの。
 洗濯は、ほかのものに引っかかって糸が切れないように(!)ネットに入れて、普通に洗ってます。アイロン? ウールなのでアイロン不要。

 引っ張りというのは、家着で、割烹着のような役割もします。作務衣のようなものです。
 これの裄が、いっぱいいっぱいで1尺6寸ちょい。
 そう。ワタクシの裄には2寸ほども短い。
 もちろん、まっすぐに手を伸ばしていれば、にょきっと腕が出て、いかにも借り物のような野暮な印象がありますが、実際、普段着として着るのに、手を伸ばしていることなんてほとんどありません。
 むしろ、1尺6寸でも、長い><
 台所仕事をするのに、邪魔だし、こてを取るのも、布生地を引っ張ったり据えたりするのに、邪魔なこと、この上ない。襷がけ・・・・・・という言葉が、頭をよぎるぐらい。

 そのぐらい、普段着の裄とは短くて結構なものなのです。

 ところが、浴衣の裄について、礼装並みに長く仕立てなければならない! と、肩に力が入っている方がいらっしゃいます。
 そこまで、がんばらなくてもいいよ?
 所詮、浴衣ジャン?
 しかも、それが殿方であったりしたら、リラクゼーションルームをお奨めしたくなります。
 殿方の浴衣の裄の長いものほど、暑苦しいものはないです。
 どこの坊ちゃん!? 
 新入社員のネクタイ姿を、七五三みたいだと揶揄されたことがありますが、まさにそんな感じ。

 ここにきて、浴衣の話題が上るようになりました。
 ことさらに、裄に合わせた広幅の反物をお勧めされることがありますが、必要ないよ?
 だって、浴衣だよ? 普段着だよ? そんな、ずらずら長い裄は邪魔だよ?
 振りもうまく捌けないのだから、せめて、動きやすい寸法にしておこうよ。
 柄が気に入ったなら、それはそれですが。

 とはいうものの、本当に腕の長い人はいるわけで、そういう方には、まだ、着物の敷居は高いのかもしれませんね。
寸法

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寸法の謎@羽織

 羽織は、帯を結んだ上から、がばっと着るものだし、前は開いているから寸法なんか、気にしないでいいのよっ!



 ま。そうだ。
 大雑把に過ぎるけれど、それが羽織の真髄かもしれない。

 でもね。・・・・・・、でもさー・・・・・・。

 マチが何のためにあるのかというと、帯のふくらみ分である。
 前が開く分、マチがないと、帯に引っ張られて、羽織の前身ごろは後ろ向きに肌蹴てしまう。
 だから、マチが付いて、そこを吸収している。

 着慣れた人には、身幅の大きな羽織でも、帯をふっくら結んでごまかしましょう。とか、補正を多めにとって着膨れましょう。とか。巾が狭い目の羽織だから、ペタンコに結ぶようにしましょうとか、簡単に都合もつけられるけど、着慣れない人には、難しいと思うのです。

 身幅の大きな羽織は、明らかな借り物の様相でしっくりしないし、
 狭い羽織は、羽織紐が引っ張られてすそで肌蹴やすい。

 それは、それでいいのだろうか・・・・・・。
 いい。っていうんだから、いいんだろうけど。

 着物を着始めて日が浅かったり、なれないうちは、自分にあった羽織の身幅±5分程度にとどめていたほうがいいんじゃないかと、ひっそりと思った。

 ちなみに、羽織の寸法は、着物に対して、


 お袖丈-5分
 袖付け+2分
 袖口同寸
 袖巾+1分

 肩幅同寸
 後巾同寸
 前巾-2寸
 マチ巾5分(身八つ)1寸5分(裾)
 
 身八つ2寸5分
 繰越+2分
 衿肩明き+2分


 
寸法

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寸法の謎@肩明き・繰越・付け込み

 肩明きは、「衿肩明き」といい、衿をつける際に、巾で耳端から内側に向かって入れる切込みです。
 2寸5分~2寸7分ぐらいの切り込みが入ります。

 付け込みは、背縫いの部分の衿付け代。
 通常は3分~5分。多いときは7分。時々、もっと多いことも・・・・・・。

 繰越は、肩山から後ろ側に5分~お好みの寸法ずらした肩明きまでの寸法。

 どれもこれも、首周りを美しく見せるための工夫です。
 衿元は、和服の醍醐味ですね。
 

 肩明きの寸法は、首周り÷4 と、モノの本には書いてあります。ここでいう、モノの本とは、和裁士会の教科書です。
 で。
 どなたを見ても、頭の大きさとはそれほどの違いがなく、よって、それを支える首の太さも、さほどの違いはないのです。
 例えば、直近の話題で、レスリングの吉田沙保里選手ぐらいになると、衿肩明きも少し深い目に切らなければ衣紋を抜いたときの衿の納まりが悪いと思うのですが、ごく普通の生活をしていると、特に問題はないと思うのです。
 これも地域性があるらしく、ワタクシが習ったところでは、2寸5分切り。関東以北では、2寸7分切が多いようです。
 理由は分かりません。が。
 衿合わせに関係してくるところです。狭いと、詰まった感じになるし、広いと「玄人」さんですか? 
 どうも、襟元ががばがばしているのを無理に着ているようなきらいのある方をお見受けしますが、「普通」に2寸7分で、あけちゃったのかもしれませんね。
 ただ、慣れてないだけなのかもしれませんが、それならそれで、すこし肩明きを狭い目に開けてみるのも手ですよ。
 衣紋が落ち着かない方は、ご一考に値すると思います。

 付け込みは、背縫いの部分の衿つけ代です。
 ここを深くつけておくと、衣紋を抜くと、外に倒れるように抜けてきます。
 浅くつけると、衿が体に対して立つように抜けます。
 深い目に付けるときは、カーブを描くようにくるりんと丸くつけると、きれいに抜けます。
 んがっ。
 ワタクシの師匠は、「そんなもん、着方や」と、相変わらず、ずばっとおっしゃってくださいました。

 繰越は、姿勢と肩周りの肉付きと着付けの際の襟の抜きやすさに関係するところです。
 子供物や男物は、繰越が付きません。衿を繰って着ないからですね。なので、繰越のついていない着物は、いくら後で引っ張っても、衿はぬけません。
 猫背の方には、繰越をつけなかったり、程度によっては、前に繰り越すこともあります。
 例えば、被衣(かつぎ)などは、前に繰越をつけて肩明きを切ります。
 肩周りに肉付きのよい方は繰越を多めにとります。
 肩の厚みで、繰越が上手く機能しないからです。


 仕立て直しなどをしていると、時々、衿肩明きを、カーブに切っているのをお見かけします。
 それはそれで、衿がきれいに繰れるので(衣紋がきれいに抜ける)着付けはしやすいのでしょうけれど、それは、なんとなくもったいない気もします。
 訪問着などの、前後ろの変えられない着物なら、うん、まあ、そうかな。とも、思うのですが、それなら、付け込みをカーブに描いて、切らない方法もあるんじゃないか、とか、繰越でもっと調節できたんじゃないのか。とか、着付け初心者丸出しの考えが浮かんでは消えていくのです。

 いろいろな着付けとともに、仕立ても変わるのですね。
寸法

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寸法の謎@身丈

 仕立てる側には仕立てる側の、着る側には着る側の言い分があると思うのです。
 ワタクシは、仕立てる側であり、滅多に着物なんぞは着ないもので、着る側の都合が分かりません。
 ですので、「ここをこんな風に」といってもらえると、大変助かります。
 また、実際お会いすると、なんとなく、その人の雰囲気や体型などを推し量ることが出来ますが、メールでのやり取りであったり、呉服屋さん経由では分かりかねます。

 ですので、ここで、一つ。
 仕立てる側からの言い分を、だね。

 まず、身丈。

 背からと肩からとがあります。
 背からは、首の付け根のぐりぐりから、かかとが隠れるくらい。
 肩からは、腕の付け根と首の付け根の中間で、一番高いところから、かかとが隠れるくらい。

 細かい調整は着付けのときにしてもらうとして、寸法を取るときはそれでお願いしています。

 某所で、「寸法的に意味がない」とまで言われた肩身の狭い背からの寸法ですが、昔から言われているものに、まったく意味のないものは、あんまりないんじゃないかと思うのです。
 
 じゃあ、背からの寸法って何だって言えば、ちょうど、繰り越して着付けたとき、言い方を換えると衣紋を抜いて帯をしめた状態を想像してもらえればよいかと思いますが、その時の背縫いの長さ、と考えていただけると一番分かりやすいか、な?

 背からの寸法を考えるときは、自分がどの程度の衣紋を抜くかを考えて出した寸法です。
 まず、着付け上がった状態の付け込み(衿付けと背縫いの交わるところ)を基本に、どのくらい衣紋を抜くかで繰越を考えます。
 普段着で、ぐっと繰って(衣紋を抜いて)お召しになる方は稀ですので、通常であれば繰越は5分。付け込みも3分。振袖、訪問着などの華やかに着付けるものは衣紋を多く抜くことから、繰越は多めにとるように出します。繰越は、+2分ぐらい。少しふくよかで首周りに厚みがあるときは、付け込みを深い目にしてもいいでしょう。

 この時、背の直線だけを考えているので、ふくよかな方はまた、ちょっと違う問題がでてきます。
 肩の厚みです。
 後身頃はそれでいいかもしれませんが、肩に厚みをとられて、前があがってくるという現象が起こります。
 お襦袢の着付けを思い出していただければ分かりやすいかと。

 肩からの寸法を考えるとき、肩の厚みを考慮に入れた寸法でもあります。
 肩の一番高いところから実寸を計るわけですから、厚みも含まれます。
 また、着付けたときに、肩山になる部分を起点にして、そこから繰越→付け込みと考えるので、着付けたときに肩山がずれないということにもなります。
 
 ところが、着用時、仕立てた寸法が、肩からであれ、背からであれ、衣紋を抜くと肩山は後ろにずれます。
 それを防止するための肩からの寸法ですが、きれいに着物の肩山と人間の肩山が同じになっている方をお見かけしたことがありません。
 それほどたくさんの着物をお召しになった方とお会いすることもないので、当たりが悪いだけなのかもしれませんが。

 そういう意味で言うと、身丈は肩からマンセーb というほど、肩からの寸法も厳密なものではないのです。

 背からと肩から、どっちもどっちなので、どっちがどっちとは言い切れませんが、ご自分の着姿をご存知の方は背から、ふくよかな方は、肩からの寸法で割り出されるとよいかもしれませんね。

 ワタクシ的には、肩からの寸法を頂くと、この方はふくよかなほうなのかしら。と、感じるしだい。

 長着においては、オハショリをとるので、大勢に影響はありません。
 問題は、長襦袢で。
 襦袢の身丈
 で、書いたように、肩からと背からでは、全然違う寸法がでてきます。
 が、基本的な寸法の考え方は、長着と同じです。
 そう考えると、肩からの実寸よりも、背からのほうが着用時の収まりがいいように感じます。
寸法

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