縫い子さんの日がな一日(改)

「若き職人」の称号を返上しつつ、中々、「熟練の職人」になれない田舎の仕立て屋さんの日がな一日

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柄の配置について

 小紋柄は、大変、裁ち合わせが難しい反物です。
 一番センスが問われ、一番数学的繰りまわしが必要なものでもあり、これがうまくいくと、一仕事終わった気になってしまうものです。

 そして、この、小紋柄の厄介なところは、教わった教室、地域、先生のセンスによって、180度違うことがあるのです。

 私が教わった小紋柄の裁ち合わせは、右後ろ、左前。右肩、左胸。です。
 言ってることは一緒です。
 一番重要なのは、右肩です。
 ここに、一番映える柄を持ってきます。二番目が左前、つまり、左胸です。ここに、2番目に映える柄を持ってきます。
 すると、必然的に、すそから1尺から1尺5寸ぐらいのところに柄がきます。が。柄置きの順番として、右の肩で立てた柄は、必ず、上前の前で寝ます^^;
 そういうものなのです。

 こんな小紋は買ってはだめ。
 という記事があって、よく読むと、前身ごろで柄が寝るのは、着物として、そもそも、反物として失格なのだそうです。訪問着風に仕立てることに苦心している。
 と。
 
 そうなんだ・・・・・・。
 でもさ。
 訪問着って、連綿と受け継がれてきた着物文化の中では、つい最近出没したぽっと出の新人なわけです。
 歴史的には、小紋のほうが古いわけで、どれだけ訪問着様が偉いのかは知らないが、小紋は小紋として、どんな反物でも、素敵柄に配置して着たらいいんじゃないのかなぁ。

 ちなみに、師匠は、いつでもどこでもどんな柄でも、いいところで柄を立てるのは、無理だ。
 と、言い切っていました。
 どうしても右肩で寝るときは、右の背で立てる。
 だめなら、右袖で立てる。

 なぜなら、着物の正式は、帯つきといって、帯を締めたあとに上から何も着ない格好です。
 その状態で、バッグを持ったり、軽く手を前で添えたり、また、テーブルの陰になったり、座ったりで、前身ごろは隠れることが多いのです。
 顧みて、上半身。特に、後ろは、帯を背負って肩辺りは、隠れるものがなく、常に人目にさらされます。
 一番目立つところは、肩回り周辺なのです。

 だから。右肩。
 ちなみに、右肩に一番大きな柄を持ってくると、追いかけ裁ちで、必ず、おくみに華やかな柄がきます。
 そんな理由からも、右肩の柄は、上前の前を犠牲にしても立てるのです。

 ですが、それはそれ、先生が前を立てるといえば、前を立てたほうがいいのです。
 だから、件の「訪問着風に」小紋柄を置くのも、間違いではないのです。
 そこでは、着物文化は上前の前身ごろを重要視するとおっしゃってましたが、そこからして、違うんだもの。裁ちかたもぜんぜん違うのは当たり前なのよね。

 と、納得してるくせに、何で噛み付いたかというと。
 なにも反物そのものを「失敗」、染めたやつを「無知」呼ばわりしなくてもさぁ・・・・・・orz...

 

 
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仕立て屋だから^^

 お仕立ての仕事をお預かりしていると、いろんな生地を見られます。
 ですから、一般的に着物好きの皆様に比べると、いろいろと勉強できるのは事実です。
 
 という理由から。

 総絞りを洗いました。
 エマールはなかったので、その他の、お洒落着洗い用洗剤で、ややぬるま湯。
 全部解いて、ばらばらのまま、ざぶざぶと、それはもう、雑巾でも洗うかのごとく、力強く押し洗い。もみ洗い。
 そのまま、2時間ほど放置して、ややぬるま湯で、今度は、すすぎ。
 それは、もう、雑巾でも洗うかの・・・・・・(ry

 実は、総絞りの生地ほど、丈夫なものはないのです。
 元は正絹の綸子です。
 綸子でも、厚みのあるもので、絞り用のものがあります。
 これは、大抵のことには動じない、立派な強さがありまして。

 それはそうです。
 鹿の子絞りなんていったら、細っかい生地を、ちょこんとつまんで、それを糸でぐるぐる巻きにするのです。
 それを、何千も糸で巻いた後、今度は、ぐらぐらの湯で煮立てます。
 洗います。
 煮立てます。
 洗います。
 糸を切ります。
 洗います。
 伸ばします。
 干します。

 ・・・・・・生地が痛まないほうがおかしいぐらいの過酷な状況を乗り越え、着物になるわけです。
 普通のちりめんなどは、煮立てた時点で、生地が怪しくなります。
 水につけただけで、恐ろしい詰まり方をするわけですから、水、現金・・・・・・じゃなくて、厳禁。

 そんなわけで、総絞りほど、扱いやすい生地はありません。
 縫うのはめんどうだけどね。
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大人物のあげ取り。

 滅多に無いけれど、ぜんぜん無いわけではない大人物のあげ取り。
 子供モノのあげ取りは、糸二本取りで、ねじらすと、性格の捻じ曲がった子になるから、絶対平行線で、と、言われ、何かと大変でしたが、大人物は、そうではない。

 すでに出来上がった人格。多少ねじれようが、よじれようが、大勢に影響は無い。

 ということで、大人物で揚げとりをお願いされたときは、いいからやっちまえ。なのです。
 なのですが。

 糸というのはねじれるとそこから摩擦で弱くなりやすくなります。
 ねじねじによじれたものは、撚りがかかって強くなりそうにも思えますが、中途半端はむしろ、摩擦が大きくなって糸は弱くなります。
 そういう意味でも、糸は捩じらさない。
 
 でね。
 時々、着付けられないから、浴衣を最初にあげ取りしておいてもいいかな? という問いがあって。
 問題ないと思うんですが、駄目って人もいるんですね。
 むしろ、着付けられないなら、がんがん、あげ取りしておはしよりつくっておいて、簡易に着られるようにしてどんどん着てくれると、着物も着易くていいかなぁ。と思うのです。
仕事中

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おかんアート

 仕立てをしていて、どうしても仕立て以外のことをしなければならないことがある。
 「小道具」である。

 「小道具」とは、その名の通り、小さな道具のことだ。
 主に、コート・道中着あたりに付ける、木ボタン、内紐、組紐、スナップ類、ループも小道具のうちである。
 これが無ければ、体裁が整わないわけで、つまりは完成しないのだが、これがまた、もう、なんというか、ずばり言ってしまうと、嫌いだ。

 普段から言っているように、和裁をしているからといって、器用だとは限らない。
 いや、むしろ、不器用だ。
 糸は短くても絡ますし、玉止めは、玉ではなく、「だま」になる。
 スナップを押さえる手はずれるし、木ボタンを搾っているときは、飛ばす。
 しかも、一個ですむわけも無く、最低三つは作らなければならない。

 先日、縁あって、被布飾りを作ることになったのだが、これなんか、二個組で左右二箇所。つまりは、4個作らねばならず、じっと手を見る・・・・・・。

 被布飾りは、当方、組紐使用なので、自作したことが無い。
 インターネットなどでは、「つくレポ」が落ちているので、はー。作る人、いるんだなー。とは、思っていたよ。

 まず、「菊」を作ってみた。
 菊の花びらは8枚でいいらしい。
 コートの衿の裏に付けるループを8×4個分=32。
 ループを、32本。
 ループだよ。ループ。普通、一本ですむループを32本!?

 まぢか!?

 4分巾のバイアスに32本切って、半分に折り、一分巾でひたすら縫う。
 5分長の輪にして、8枚の花びらを・・・・・・。あれ? ループ一本で、花びら2枚分とれる!!
 ということで、32本から半分の16本に。らっきー・・・・・・。
 木ボタンで、花芯を作り、体裁を整えて、出来上がり。
 出来上がりました。
 ・・・・・・、出来上がり、で、いいですか? これ?
 まあ、いいだろう。
 一個は、それで完成。
 被布飾りは、二個一組。二つをつなぐ繋ぎ目は、上に来るほうが結び玉になっていて、下がそれをくぐらす輪になっている。本来は、それのみで繋げて着用ですが、今は、文明の利器、スナップという便利道具ができて、飾りはそのまま飾りとなっている。
 下は、花びらがそのまま受け口でいいけれど、結び玉は作らねばならない。
 さて。どうしよう。
 多めに出来たループをつなげて、少し長めの紐を作り、それで、釈迦結び。
 これがまた、時間がかかる。
 何が時間がかかるかって、組んだ後に、紐を締めてまあるく形を整えるのだが、間違った方向へ引っ張ると、違うほうの紐が長くなり、思い描いた曲線じゃないところが締まってそこだけ凹む。
 球にならなければならないのに、ラグビーボール型になったり、球のつぶれた形になったり。
 あっちを引っ張りこっちをひっぱり、何とか形にしたときには、一時間以上経過。
 釈迦結びだけで、一時間以上。
 結局、4個出来たのは、5時間後。

 さて。
 苦手だ嫌いだというなら、そこで終わっておけばいいのに、世の「つくレポ」を見ていると、梅なんか、かわいくない? てか、梅なら作ったことがあるんだな。一個だけ。
 これは、着物衿のコートのアクセントに付けたことがあって。
 
 で、作ってみた。やめておけばいいのに。
 一個につき、花びら5枚。×4個=20個分の力布。+ループ×2、釈迦結び×2
 こちらも、5時間以上。

 梅というより、ひまわりか^^;
被布飾り
 裏↓
被布飾り裏


 ・・・・・・。被布飾り二組で10時間以上よ!
 ミヤギケンの最低賃金は、685円。
 単純に、時給で計算しても、6850円!!
 このおかんアートが、6850円!!!
 糸は半巻きほど使うし、木ボタン、スナップとか、あれこれ細々計算していくと、余裕で、7000円オーバーになるんですが。
 こんなの、請求できないよ~><、

 ハンドメイド作家さんは、すごいと思うのですよ。
 ほんとに。
 商品になる線引きというのが、どのあたりなのか、難しいところです。
 
 大抵の手芸の類は出来るのですが、唯一、出来ないのが、「ちりめん細工」と「パッチワーク」。
 ・・・・・・、二つか。
 ただ単に、根気が無いのと、ちまちましすぎるのと、色柄のセンスが無い。
 出来ない。と、思うのと同時に、憧れでもあります。
 いつか、やってみたいと思いつつ、いつまでも出来ないものの代名詞です。
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ゆりかごから墓場まで!?

 あちこちの質問サイトを覗いていると、時々、人のお財布事情にまでくちばしを突っ込んでつつきまわし、あれは駄目、これは駄目とさえずる閑古鳥の仲間と思われる方がいらっしゃるのです。
 その方にかかれば、親族の結婚式では留袖以外は認めず、洋装なんて言下に却下。
 すると、ワタクシなんぞは、親族の結婚式には出られないわけです。
 
 そこらの貸衣装の留袖よりも、はるかに良い生地で仕立ての訪問着があるのに、訪問着であるが為に親族の結婚式は格不足。
 つまり、留袖なら、綿でもガーゼでも良さそうな勢いです。

 なんだかねぇ・・・・・・。

 と。思ったところで、ふと。

 そういえば、着物というのは、小紋でも振袖でも留袖でも色無地でも、同じ形な訳です。
 染め、織り、柄、色、袖の長さなどの違いで、ジーンズからアフタヌーンドレスまで仕立てるようなものです。

 そう考えると、和裁士って、すごいなぁ・・・・・・。と、自画自賛もしてみました。


 
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