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ソロへ 2010.06.01Tue.

君に初めてあったのは、夏。
生き物を飼う事には、たいそう、反対だったおかーちゃんが、うきうきした声で、
「犬を飼った」
と報告してくれた時、
すぐにでも飛んで帰って君に会いたいと思ったよ。
それには、家はちょっと遠すぎたね。

小さくて、背伸びしてもテーブルには届かなかった君は、
おかーちゃんのひざの上によじ登って、テーブルの上のものを物色していたんだってね。
両手の平に乗るくらいの大きさだったのに、
お盆の初日、初めてあった君は、すでに、大人だった。
大きさだけは。

まだ、足を上げておしっこも出来なくて、
本当にオスなのかと、犬を転がしながら足をムキっとあげて確認したっけ。

確かに。オスだったね。

それから、半年毎に会う君は、その都度、大人になっていったね。
会うたびに、千切れんばかりにブンブンふってくれる尻尾がすごくうれしかったんだよ。
早く一緒に住みたかったけれど、まだまだ、お姉ちゃんたちは半人前だったからね。
もう少し、がんばらないとだめだったんだよ。

たった一人で、冒険に出かけた日、
おかーちゃんは、君のことが心配で、玄関で毛布に包まって待っていたんだよ。

脱走癖は、そのころについたんだね。
ある時は、おとーちゃんが自転車で探しに出かけて、荷台に乗せて帰ってきたり、
ある時は、玄関を開けたら、そこに寝ていたんだって?
時々、振り返りながら、追いかけてくるのを確認していたのは、
君にとっては、ただの追いかけっこだったから。
人間様が、君の足に追いつくのは至難の業だったよ。ほんと。

君と同居を始めたのは、君が5歳の時だった。

もう、すっかりちゃっかり立派な青年になって、
彼女のほしい年頃になってたね。
だからといって、おかーちゃんの背中によじ登って、予行練習はだめだと思うんだよ。
お姉ちゃんたちのひざの裏にしがみついてやったり、
姪っ子ちゃんたちを背後から羽交い絞めにするのも、どうかと思うよ?

春。
八重桜がはらはらと降り注ぐ花びらの間を、散歩したね。
人間様がワラビを物色している間、君は、違うものを物色してたね。

姪っ子ちゃんたちと、サクラの枝をゆすって、サクラの猛吹雪を作ったのは、楽しかった。
君には少し迷惑だったかもだけど。
冷めた顔で、困った風に、花びらを見送ってたのを、知ってるよ。

夏。
君は雷と花火が大嫌いだったね。
うれションは、したことがないけど、こわションはいつもだった。

遠雷さえ聞こえない、遠い雷にも、敏感に反応して、
ワンワンキャンキャン鳴いてた。
人間様には、スポーツランド菅生のエンジン音と花火、
曇った日の飛行機の逆噴射の音と雷の音が区別がつかなかったけど、
君には分かっていたんだね。

でもね。
いくら怖いからって、二つ並んだ小さな下駄箱の中身を全部出して、そこに納まることはないと思うんだ。
だって、お尻、隠れてなかったよ?
それに、狭すぎて、出てこれなくなってたじゃない?

雷がなった日。荒らされた玄関に君の姿が見えなかったときは、本当に心配したんだよ。
よくみたら、下駄箱から、にょろりとたれてる尻尾があった。
君には悪いけど、みんなで笑ったよ。証拠写真があったはずなんだけどな・・・。
今度、探しておく。

秋。
日に日に寒くなって、日が短くなって、でも君はやっぱり元気に散歩に出かけた。

去年の秋に、足元が覚束なくなっても無理に散歩に連れ出したのは、
君にとっては良かったことなのかな?

トンボが飛んでて、君はぜんぜん気にしてなかった。
時々、リードを引っ張って急かすお姉ちゃんを、ちょっと恨めしそうにみてたのは、もう歩きたくなかったから?
そんな時、君は、里山に落ちていく夕日を、ただ見てたね。
知ってた?
君の毛皮に、赤とんぼが止まってたんだよ。
隣で見てた、お姉ちゃんのジャージにもね。
君にたかる蚊を警戒してたら、ジャージの上から、お姉ちゃんが蚊に食い殺されて、
痒くて大変だったんだから。

冬。
始めてみた雪に君はびっくりしたんだって?
お姉ちゃんたちと一緒に住むようになったのは、もう、5回目の冬だった。
だけど、あんなにたくさんの雪を見たのは、もしかして、初めてだったかな?
イノシシでもないのに、雪に向かって猪突猛進していったね。

バージンスノウにおしっこかけて、カキ氷みたいだった。

今年。
季節外れの大雪に、
やっぱり散歩に連れ出したのは、少し後悔しているよ。
もう、よろよろになってたのに、あんなに雪の深いところを歩かせて、本当にごめんね。
お腹につくぐらい、深い雪に、立てなくて、へたっちゃってたね。


10歳を過ぎても、げんきはつらつで、オスと見るなりかみつくし、
メスとみると、鼻を鳴らしてラブコールを送ってた。

近所の白い女の子に、ある日、赤ちゃんがいることを知ったとき、
種は君かと思ったよ。
その時も思ったけれど、
君の子だったら、どんなに良かっただろう。

近所の集会所で、狂犬病の集団注射があったのは、本当に大変だった。

君は注射が嫌いで、嫌いで、嫌いで。
何もないのに、その集会所に差し掛かると、意地でも動かないと、後ずさって抵抗してたっけね。
それから、病院も嫌いだったね。
フィラリアの検査に行くのに、どれだけ大変だったか。

君も大変な思いをしただろうけど、
人間様は同じくらい、大変だったんだよ。

車の、3センチばっかりの窓の隙間から、
君は鼻面を突き出して、ごふー、ごふーと、鼻息も荒く脱走を試みてたね。
いくらなんでも、そんな狭いところは無理だって。




去年の今頃。
君が急に食欲をなくして、下痢三昧だったとき、ただの食中りだと思ってた。
だって、しばらくしたら、食欲も戻って、健康ウンにょに戻ったから。

それに、おかーちゃんが、君に、君のご飯以外のものを、どんどんやるから、
君は、君のご飯を食わなくなっちゃったじゃない。

お姉ちゃんは、とても心配だったんだよ。
無駄に体重が増えたりするんじゃないかとか、
栄養が偏るんじゃないかとか。
好きのものばっかり食べたら、だめなんだよ。

だから、おかあちゃんが、田舎に帰った隙に、
君には悪いと思ったけど、君の食生活を強引に規則正しく戻させてもらったよ。

君は、恨めしかっただろうね。
大好きな白米も、ジャーキーも、お魚や、鶏の胸肉も、もらえなくなっちゃったんだから。

でも、そのおかげで、ずいぶん、体調も戻ったの、気づいた?
半絶食状態だったから、激痩せしちゃったけどね。

でも、おかーちゃんが田舎から帰ってきた時、その痩せ具合に、びっくりしてた。
気づかなくてごめん。
本当に、ごめんね。
気づいてあげられなくって、本当にごめん。
君は言葉が話せないのに、気づかなくて、ごめんね。

おかーちゃんの顔を見るなり、君は、今までのおねーちゃんの悪行を告げ口したでしょ。
おかーちゃんがまた、君のご飯以外をやるもんだから、
また、体調が悪くなった、と思ったんだよ。

病院に連れて行ったら、肝臓が、ひどく悪くなってた。



生きているのだから、いつかはその日が来るのは分かっていたけど。
「うちの子に限って」
尻尾が割れるまで、生きていると思ってた。
尻尾が割れても、生きていてほしかった。

時間は止まらないのは分かってたけど。
君のほうが、先にいくのは分かってたけど。


ずっと、一緒。
そんなことは思ってないよ。

君は、君の行くところへ行かなきゃ行けない。
そこには、きっと、先に、君のおとんやおかん、おにーちゃんや、おねーちゃんも、きっといると思うから。
きっと待っててくれていると思うから。

だから。

もう、お薬を飲まなくていいし、
無理にご飯も食うこともない。

呼吸が苦しくて、
心臓がどきどきして、
手足がぴくぴくして、どうしようもないなんてことも、もうないんだよ。

きっと、いつかのように、全速力で風に乗って走れるし、
怒られないで、好きなところにいって、好きなことが出来る。

そうだ。
君は、一人で大冒険が大好きだった。
今度は、どこに冒険にいこうね?

うちのことは気にしなくていいんだよ。
君は、優しかったから、きっと、誰か喧嘩してないかと気にしてくれると思うけど、
そうだね。
時々、喧嘩もすると思うけど、君が心配するようなことは、絶対にないから。

だから。

安心して。

安心して、いっていいよ。
家のことも忘れて、やりたいことを、したいことを。自由に。
リードも首輪も、全部置いていったから。

でもね。
でも、一個だけお願いがあるの。

いつか。
きっと、いつか、君のところへ逝く時が来ると思う。
それはいつになるか分からないけど、絶対に、そっちに逝くから。

そしたらね。

君に着せてあげたサンタクロースの衣装を目印にするから。
だから。
遠くからでいいから。
だから、迎えに来て?

今は、まだ、涙が止まらないけど、もう少ししたら、きっと笑えるようになるから。
今だけ、もう少しだけ。
君が嫌いだった涙も、我慢してね。

ありがとう。
ありがとう。
うちに来てくれてありがとう。
一緒にいてくれてありがとう。
今まで、ありがとう。



ありがとう。


ソロ。

うろうろ・・・ 2010.04.07Wed.

ボーっとしていたら、恐ろしきことに、四十路が目の前に、ぶら~ん・・・と。
思えば、

手に職をつけた20代。
通信制の大学を卒業した三十路。

さて。

次の十年は何をしようかなぁ・・・。
と、焦点もあわせず、ぼんやりと空を見つめる今日この頃。


ふと。
三十路、四十路、五十路、六十路・・・
なぜ、20代と70以上は○十路といわないのだろう。

にそじ、とか?
なそじ、とか。

お悔やみ 2008.11.28Fri.

お友達のお父様がお亡くなりになりました。
今年の春に入院して半年。

命って本当に儚いものです。

彼女とのお付き合い自体は20年近くになりますが、
お会いしたのは数えるほどで、
なんとなく疎遠になったり、いつの間にかメール交換が復活していたりで、
切れそうで切れないしぶとい仲なのです。

具体的に相談事をしたりとか、励ましあったりとか、そんな気遣いをするような間柄ではなくて、
思い出しては安否を確認したり、
落ち込んでは一方的に愚痴ったり、
見る人から見たら、それって友達って言う? という不思議な間柄です。
そして、彼女の一挙手一投足が、ささやかな勇気を奮い立たせてくれる人なのです。

こういうときに、なんていってあげたらいいのか、わかりません。
社会経験の少なさが辛いです。
とはいえ、そうそう、お悔やみごとばかりに遭遇するのもどうかとは思うのですが、多少は経験がないと、伝えたいことが伝えられないと思うのです。

あれこれ悩んでいるうちに、いつものパターンで、時期を逃してしまうのです。

さて。
もう少しだけ悩んでからメールします。
元気になってるかな?

マニアック 2008.11.25Tue.

一年生のお買い物で、一番、緊張したのが、紙やすり購入。
いつものスーパーの裏手にある、小さなプラモデル屋さんが、その購入先。

紙やすりを何に使うかというと、お鏝(こて)のお手入れ。
週に2回、紙やすりで軽くこすってきゅきゅっと磨きたおすのです。

あまり荒い目を使うと傷がつき、
そこから錆びてくるので、998番~1000番あたり。

で。

この辺の番手を使うのは、どうやら、かなりマニアックらしく、少々のお店では置いていないのです。
だから。プラモデル屋さん。

そのプラモデル屋さんの店先には、何万分の一かのリアルガンダムが置いてあり、噂によると、そこのおじさんの手作りらしい。
手作りというのは、パーツの一つから作るほどの通なのだそうです。
その噂のガンダムは、身長(?)が120センチほどもあったかと思います。



そのおじさんは、無口で無愛想で、ちょっと怖いと噂(うちの縫製所限定)で、店先のガンプラに惹かれながらも、恐る恐るお店に入る。

・・・・・・。だれもいない。チャンスっ!

外からチェックしておいた紙やすりコーナーで物色。
よく考えたら、誰もいないと、それはそれで困るんですけど、噂に左右される、ひわさん@B型には見えない。
1000番はちょっと細かすぎるとのお姉さんたちの意見に、990番辺りを探すのだけど、見当たらない。

「紙やすりをお探しですか~?」

ひいいいぃぃっ!
怖いと噂のおっちゃん登場。しかも、いつの間にか・・・・・・。
見ると、普通のおじさんです。

「随分細かいの探してますね。何に使うんですか?」

しかも、にこやかです。
事情を説明すると、瞬時に納得。このおじさんは「鏝」を知っていた模様。
やっぱり、1000番が一番いいらしい。
大事なものに傷を付けず、汚れだけを落とすことができるのだそうです。

ほほー。と、しばし感心。

「あんまり、汚れがひどいときは、950番辺りで磨いてから1000番で仕上げするといいですよ」

800番台になると今度は荒すぎて磨くというより、傷つけてしまうそうです。
流石、ただのマニアではないのですね。

お会計をして、「ありがとー」とお店を出ると、

「またきてくださいね^^」

そう。最後の顔文字付で。

   もちろん、また行きますともさ。

心の中で、大きく頷いたことは間違いが無い。


あとで、お姉さんたちに聞くと、
プラモデル屋はほとんど女の子が行かないお店であり、愛想はいいらしいのだ。
ただ、対極の感想もあり、その時々で、機嫌がよかったり悪かったりしただけなのかなー。と。



数年後。
ワタクシが卒業を迎える前に、そのプラモデル屋は、無くなってしまいました。

あの、何万分の一かのリアルガンダムの行方と、その後のおじさんが、少し気になるところです。

webリング 2008.11.19Wed.

以前、手縫いdeちくちくもお世話になっていた、webリング「きものの輪」。
管理しきれなくなったとして閉鎖になりましたが、
再び、管理者を変えて復活しました。
けれども、「きものの輪」はまだありません。

誰か作ってくれないかな。